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カリフォルニア州における相続手続(プロベート Probate)

カリフォルニア州では相続手続は、プロベート(Probate)という手続きにより行われます。

プロベートとは、亡くなった方(被相続人)の遺産を法的に管理し、分配するための手続きです。

プロベートは、遺言がある場合にもない場合にも、被相続人の財産を整理し、相続人が遺産(相続財産)を承継する際に行われます。プロベートを経ることで、遺産について債権者への清算も行われ、、相続人に分配されることになります。

 

1. プロベート手続きの概要

プロベートは、通常、以下の手順で進行します。

管轄の裁判所は、被相続人が亡くなったときに居住していた郡(county)Superior Courtです。

 

① 遺言の確認(遺言がある場合)

被相続人に遺言がある場合、その遺言の有効性を裁判所で確認します(遺言検認)。遺言の内容に基づいて、遺産の分配が行われます。

遺言がない場合は、カリフォルニア州の無遺言相続法(Intestate Succession Law)に従って財産が分配されます。後述します。

② 遺産執行者(Executor)の氏名

遺言執行者の指名が遺言でなされている場合には、遺言に記載された遺産執行者(Executor)が、被相続人の財産を管理し、遺言の内容に従って分配を行います。

遺言に遺産執行者が指定されていない場合、裁判所が遺産管理者(Administrator)を指名します。

③ プロベート裁判所への申立て

遺産を管理するため、遺産執行者または相続人がプロベート裁判所に申し立てます。裁判所は遺産の評価を行い、分配方法を決定します。

④ 財産の評価と負債の支払い

遺産に含まれる財産を評価し、被相続人の未払いの債権者への債務を支払います。

⑤ 遺産の分配

遺産執行者は、裁判所の監督のもとで遺産を相続人に分配します。遺言がある場合は遺言の指示に従い、遺言がない場合はカリフォルニア州の相続法(Probate Code)に基づいて行われます。

2. プロベートの手続が必要な場合

カリフォルニア州でプロベート手続きが必要となるのは、次のような状況です:

遺言がある場合: 遺言に基づいて遺産を分配するためにプロベートが必要です。

遺言がない場合: 被相続人が遺言を作成していなかった場合、カリフォルニア州の相続法(Probate Code)に従い、プロベートの手続を行います。

プロベートが必要となるのは、遺産が一定額を超える場合です。

 

3. プロベートの必要がない場合

次の場合には、プロベートを経ずに遺産を分配できます。

① 簡易プロベート(Small Estate Affidavit

財産の総額が一定額以下の場合、簡易な手続きで遺産を相続することができます(Probate Code 13100-13116)。

財産が簡易プロベートに該当する場合、相続人が簡易プロベートの申請書を裁判所に提出し、遺産の分配が行われます。

一般に、個人の財産の回復のための宣誓供述書と言われています(Affidavit for Collection of Personal Property)。

 信託(Trust)による相続

生前に信託を設立している場合、信託に移転された財産はプロベートを経ずに直接相続人に分配されます。

信託設定後に取得した財産であるため、信託に組み込まれていない遺産について全て信託財産に追加する(注ぎ込む)遺言(Pour-over Will)と一緒に用いられることが多くあります。

プロベートを回避する方法としてよく用いられています。

③ 夫婦共有財産(Community Property

カリフォルニア州は、Community Propertyの州です。夫婦が婚姻中に得た財産は、夫婦の共有財産と推定されます。

夫婦の共同名義の財産は、Community Propertyと推定されます。

他方、夫婦別産制を採用する州もあります。

Community Propertyの制度のもとでは、夫婦の別財産(Separate Property)となるのは、夫婦のそれぞれが婚姻前から有していた財産、婚姻中に贈与、遺言、相続で得た財産、離婚後や別居後に得た財産、別財産から得られた賃料、利益などです。

Community Propertyは、離婚と相続の場合に主に問題となります。

相続の場合、被相続人である配偶者は自らの持分である1/2について遺言により処分ができ、配偶者以外が1/2について取得することが可能です。

他方、遺言がない場合には、配偶者が被相続人である他方配偶者の1/2について取得することになります。

④ POD/TODPayable on Death / Transfer on Death

銀行口座や証券口座に「POD」や「TOD」指定がある場合、受益者に直接財産が移転し、プロベートを回避できます。

⑤ 生命保険金、退職年金

受取人がプロベートの手続を経ずに受け取ることができます。

⑥ 生存者受取権付合有財産(Joint Ownership with Right of Survivorship

何人かで財産を共有している場合に、1人が亡くなると、その人の持分について他の共有者が平等にその人の持分を取得する制度です。この場合もプロベートは必要ありません。

たとえば、ABCが不動産を所有しており、それぞれ1/3ずつ持分があるとします。Aが亡くなると、BとCがAの1/3を平等に取得しますので、BとCの持分は1/2ずつとなります

5 プロベートにかかる費用と期間 

費用

プロベート手続きには、裁判所費用、弁護士費用、遺産執行者の手数料などがかかります。手数料は通常、遺産の総額に基づいて計算されます。

期間

 プロベート手続にかかる期間は原則は1年以内です(もっとかかる場合もあります)

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ごあいさつ

担当弁護士の水内麻起子です
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